妄念・妄執の中で生きる現代人
「幸せになりたい」… どんな幸せを望みますか?「お金持ちになりたい」「有名になりたい」「良い結婚相手と出会いたい」「自分を美しく見せたい」「ダイエットを成功させたい」「子供を一流の大学に行かせたい」など、人は幸せを求めてさまざまな願望(≒妄念・妄執)を持ちます。
*「≒」は、だいたい等しいという記号。「=」とは違います。
きっと今の自分の生活に不満なんでしょう。今の自分は本当の自分ではなく、もっと自分には限りない可能性と充実した人生があると思っているのでしょうね。
テレビや雑誌では、セレブの方のうらやましい生活が紹介されたり、有名人の幸せそうな結婚などが紹介されたりします。またさまざまなメディアには「アンチエイジングの化粧品」「ダイエット食品」の宣伝が踊っています。宣伝に使われている写真には必ず「やせたきれいな姿」、「うれしそうな笑顔」が載っています。
「こういう風にすればもっと幸せになれます」「これを使えばもっと美しくなります」など、現代社会では情報が洪水のよう溢(あふ)れています。そんな中で、人々は混乱し振り回され、自分のしっかりとした生き方や考え方を持てなくなっているようです。
断っておきますが、その願望(≒妄念・妄執)を全く否定しているわけではありません。願望や欲求は「人が生きていくためのモチベーション(動機)」でもあります。これなくして人類は発展できなかったのですから。