源平合戦と縁が深い法然上人
親鸞の師と言えば「浄土宗の開祖法然」です。NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」には出てきませんが、この時代には欠かせない人物です。
後白河法皇、高倉天皇、後鳥羽上皇に
授戒されましたので、「三朝の戒師」と言われます。また、後白河法皇の娘である式子内親王、有力貴族の九条兼実の授戒も行っています。そういう意味では、当時の実力者らに精神的に頼られていたのでしょう。
また、「一の谷の戦い」で捕虜になった「平重衡(たいらのしげひら)」が、鎌倉に護送される時に授戒を行っています。さらに、元関東の武士であった熊谷直実(くまいがいなおざね)が法然の弟子となっています。これらの話は「平家物語」や「吾妻鑑」にもある有名な話ですので、知っている方は大変多いでしょう。
法然は、「貴族の時代から武士の時代へ」という時代の大きな変わり目に、人々の精神的な拠り所となったのでした。1201年、悩みを抱えた親鸞が比叡山を出て、法然の弟子になったのも当然のことだったと言えます。
なお、法然上人ゆかりの場所は
法然上人二十五霊場をご覧ください。