本覚山 隨縁寺

東本願寺の寺院、愛知県西尾市「隨縁寺(ずいえんじ)」のホームページ // zuienji blog //

「鎌倉殿の13人」と仏教 3

人々は怨霊、もののけを恐れていた

4月3日のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、頼朝(俳優:大泉洋)が僧侶の文覚(俳優:市川猿之助)に、「調伏」を依頼するシーンがありました。この場面での調伏は「呪詛(じゅそ)」の意味で使われているようです。

まさにこの時代、人々は「夢のお告げ」を信じ、「怨霊」「もののけ」を恐れ、加持(かじ)・祈祷(きとう)・調伏(ちょうぶく)を陰陽師、僧侶が行っておりました。
病気や不幸な出来事は「怨霊やもののけの仕業(しわざ)」と考えられていたし、病気に対する薬も無い時代だから仕方がなかったのですね。
それになかなか成仏できず、下手をすると地獄に落ちてしまうとも思われていたのです。だから、「臨終での行儀作法」が重要視されていました。
参考:小山聡子「もののけの日本史」(中公新書)、「往生際の日本史」

このドラマの時代から30年後、親鸞は関東を訪れ、「加持祈祷、調伏など無用」と言い、また「鬼神などの崇拝も不必要」とし、「偉大な阿弥陀如来の本願力(ほんがんりき)」を信じ、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏すれば、かならず「阿弥陀如来は救ってくださる」と説いたのです。

「阿弥陀如来の力であれば、怨霊・もののけなどは恐れることは無い。また鬼神などを崇拝しなくても恐れることは無いのだ」と人々に説き、そして「阿弥陀如来を信じ念仏をすれば、必ず浄土(極楽)に往生できる」と説いたのでした。

コメント

プロフィール

HN:
住職
性別:
非公開

P R